他媒体が衰退する中で急激な生産枚数増加を見せるアナログレコード。一方で塩化ビニル樹脂の企業物価指数は上昇

他媒体が衰退する中で急激な生産枚数増加を見せるアナログレコード。一方で塩化ビニル樹脂の企業物価指数は上昇
 

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年間レコード生産枚数の急激な伸び

生産実績 過去10年間 オーディオレコード アナログディスク

(出典:一般社団法人日本レコード協会|生産実績  過去10年間 オーディオレコード アナログディスク

 

 

これは、過去10年間における日本国内でのアナログレコード生産枚数及び金額を示したグラフです。

売り上げではなく、あくまで生産枚数ベースですが、2013年以降、緩やかな右肩上がりを描いた後2020年に前年比90%と一旦生産枚数が落ち込んだ後、2021年に急激な伸びを見せています。

 

このグラフを見て2020年の「何とかデンジャンプ」が頭の片隅をよぎったのは著者だけでしょうか?または、節値で押した後に機関投資家や資産家等から大口の買いが入った際の株のチャートの動きのようにも見えます。

2021年は、邦盤洋盤合計でアナログレコードの生産枚数が前年比174%。特に、邦盤が前年比191%と驚異的な伸びを見せています。

 

株式市場において(特に新興系銘柄の場合、)株価急騰の後に頭にちらつくのは”急落”の2文字ですが、この場合はどうでしょうか。

どうやら、2022年もレコードの生産枚数は伸びているようです。日本レコード協会の機関紙「The Record」2022年7月号によれば、今年は洋盤アナログレコードの生産枚数が「2022年1月~2022年5月 累計」で前年比144%と、高い伸びを見せています。邦盤の方も前年比114%と伸びを見せています。洋盤アナログレコードの需要も増えてきたのでしょうか。



 

 

他媒体の年間生産数は右肩下がり

カセットテープは、この10年で1/10以下

生産実績 過去10年間 オーディオレコード カセットテープ

(出典:一般社団法人日本レコード協会|生産実績 過去10年間 オーディオレコード カセットテープ

 

 

こちらは、過去10年間日本国内におけるカセットテープの生産数を示したグラフです。

グラフを見て分るように、カセットテープの生産数は右肩下がりです。カセットテープは邦盤がほぼほぼの割合を占めているようですが、2012年に年間180万あった生産数が2021年には年間14万と、この10年でカセットテープの生産数は、1/10以下にまで低下しています。

 

 

CD(シングル、アルバム合計)は、この10年で1/2以下

生産実績 過去10年間 オーディオレコード CD合計

(出典:一般社団法人日本レコード協会|生産実績 過去10年間 オーディオレコード CD合計

 

 

こちらは、過去10年間日本国内におけるCD(シングル+アルバム)合計の生産枚数です。

カセットテープ程の勢いではないものの、邦盤洋盤合計で2012年に年間で2億1516万枚あった生産枚数が2021年には年間で1億355万枚と半分以下にまで下がっています。



 

 

ダウンロードからストーリーミングへ移行している音楽配信市場

音楽配信売上実績 過去10年間 全体

(出典:一般社団法人日本レコード協会|音楽配信売上実績 過去10年間 全体

 

 

これは、過去10年間日本国内における音楽配信の売上実績です。

グラフ上の棒グラフ、黄緑色で表示されているダウンロードによる売り上げが2012年に年間で404億円あったのに対し、2021年は年間で141億円と1/3近くまで減少しています。一方、2012年に年間で約10億円程度の売り上げだったストーリーミング(棒グラフ緑色)が2021年には年間で743億円と、なんとこの10年で74倍にまで成長しています。



 

 

伸びを見せているのは、アナログレコードとストーリーミング

音楽の聴き方の二極化が進むか?

前述したように、近年の音楽産業で伸びを見せているのは、おおよそ(売上ではなく、あくまで生産枚数ベースですが)アナログレコードとストーリーミングです。

このまま行くと、どうやら人々の音楽の聴き方は「アナログレコードで好きなアーティストの楽曲を(アルバム単位で)じっくりと聴く層」と「ストーリーミングで(様々な、もしくは好きなアーティストの)楽曲を曲単位で手軽に聴く層」の二極化が進んでいきそうです。

 

一般社団法人日本レコード協会|2021年度「音楽メディアユーザー実態調査」を見て分るように、音楽の有料聴取層が年々減少していき、代わりに ”音楽への無関心層”が年々増加(2021年では約4割)する中でアナログレコードの生産枚数がこのような伸びを見せているのは興味深い現象です。そして、アナログレコードの需要は日本だけでなく、世界中で増加しているようです。

なぜでしょうか?

 

デジタルでは味わえないアナログレコードの持つ魅力に気付いた人が増えたからでしょうか?

お気に入りのアーティストがアナログレコードをリリースしていて、それがきっかけでレコードを聴くようになった人が増えたからでしょうか?(おそらく、若年層はこのケースが多いのではないでしょうか。)

または、(使い道が少なくなってしまった為)ありあまる財産の使い道に困り果てた挙句、ありとあらゆる高級機材を寄せ集め自宅に自慢のオーディオシステムを構築し、その空間でゆったりとアナログレコードを聴き入る時間に新たな楽しみを見出した富裕層が増えたからでしょうか?

はたまた、将来の価格高騰を見据えて、お宝を今の内にせっせと買い集めている人が増えたからでしょうか?

 

おそらく、これら全てだと個人的には思います。

 

 

塩化ビニル樹脂の企業物価指数上昇

ただ、アナログレコードの原料となる塩化ビニル樹脂の企業物価指数は2022年に入り、ガツンと上昇しています(2020年基準)。つまり(著者はレコード製造に関して詳しい訳でも無いので、確かなことは言えませんが)、これからアナログレコードの生産コストの増加が予想されます。

今すぐ店頭価格に反映されなかったとしても、もしかすると例えば「半年後、一年後に発売される一部アーティストのアナログレコードの価格が今より割高感のあるものになっている」なんて事があるかもしれません

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