各DAWソフトウェア上で扱う事が出来るエフェクト=”プラグインエフェクト”(?)に対しハード(アウトボード)、つまり実際に形のあるエフェクト(エフェクター)として主に”ラック式エフェクター”、”コンパクトエフェクター”、”マルチエフェクター”の3種類がありますが、それぞれの特徴、違いは一体どのようなものでしょう。
ラック式エフェクター
ラック式ステレオコンプレッサー”dbx166XS”フロントパネル
ラックに固定して使用するエフェクター
ラック式エフェクターは、ラックに固定して使用するタイプのエフェクターになります。
ラックとは、横幅が482.6mm(19インチ)、縦幅が1U=44.45mmに統一された規格を持つ音楽機材を収納する為のケースの事です。ラック式エフェクターには、1Uタイプの物、2Uタイプの物、3Uタイプの物など様々なサイズの物があり、ラックにも様々なサイズの物があります。
例えば4Uタイプのラックがあるとすれば、1Uタイプのラック式エフェクターを4つ収納したり、2Uタイプのラック式エフェクターを2つ収納したり(組み合わせは自由に)することが出来ます。
同じように8Uタイプのラックがあるとすれば、1Uタイプのラック式エフェクターを8つ収納したり、2Uタイプのラック式エフェクターを4つ収納したり、1Uタイプを4つ2Uタイプ2つ収納したりすることも出来ます。
1台あたりが大きくコンパクトエフェクターに比べメリットが多い
1台あたりのサイズが大きいのでコンパクトエフェクターに比べ内部に多くのパーツを搭載出来たり、サイズの大きいパーツが搭載出来る為、音質等の面でコンパクトエフェクターより有利になる傾向にあります。
コンパクトエフェクターよりパネル面も広くなり、多くのつまみやスイッチを搭載する事が出来るので、より細かい調整が可能になります。また、機種によっては液晶画面が搭載されており視覚的にパラメーター等を調整していく事も可能です。
コンパクトエフェクターに比べ入出力端子も多く搭載されており、フォーン端子(?)はもちろんXLR端子(?)やRCA端子(?)が搭載される機種もあり、より配線の自由度が高くなります。
コンパクトエフェクター
足元に置いて使うエフェクター
コンパクトエフェクターは、よくギタリストやべーシストが足元に置いて使うもので、名前の通り1つ1つがコンパクトなのであまり場所はとりません。
インプット端子(INPUT JACK)、アウトプット端子(OUTPUT JACK)、エフェクトのオン/オフを切り替えるスイッチ、各パラメーターを調整するつまみ等から構成されており、基本的には1台につき1つのエフェクト機能(オーバードライブ、ディストーション、イコライザー、コーラス、ディレイ、リバーブ等)を搭載しています。なので、「複数のエフェクト(例えば、オーバードライブとコーラス)が欲しい」と言う場合は、それぞれ別々に購入する必要があります。
マルチエフェクターよりエフェクト1つずつのクオリティーが高い傾向
必要なエフェクターを揃えるには手間やコストがかかりますが、その反面(ブランドや機種にもよりますが)マルチエフェクターに比べて「エフェクト1つずつのクオリティが高い」傾向にあるようです。
コンパクトエフェクターのブランドの一例としては、ボス(BOSS)やライン6(LINE6)、エレクトロ・ハーモニクス(ELECTRO HARMONIX)、コルグ(KORG)等があります。
マルチエフェクター
コンパクトエフェクターをまとめたエフェクター
マルチエフェクターもコンパクトエフェクターと同じようにギタリストやべーシストが足元に置いて使うタイプのエフェクターですが、こちらは何種類かのコンパクトエフェクターの機能を1台にまとめたものになります。
例えば、オーバードライブ、ディストーション、ディレイ、リバーブ、ワウ全てが1台に搭載されたマルチエフェクターがあるとします。仮にコンパクトエフェクターでこれらを全て揃えようとすると、オーバードライブ、ディストーション、ディレイ、リバーブ、ワウを全て1台ずつ=計5台のコンパクトエフェクターを購入する必要がありますが、マルチエフェクターなら1台購入するだけでこれらのエフェクターの機能全てが使える事になります。
1台で多くのエフェクトが使える
(ブランドや機種にもよるので一概には言えませんが、)コンパクトエフェクターのようにエフェクト1つずつにクオリティーを求めるよりは「1台で様々なエフェクトを広く使える便利な機材」という認識が合っているのかもしれません。
「とりあえずエフェクターを使ってみたいけど、どのエフェクターを揃えればいいのか分らない」と言ったような場合、とりあえずマルチエフェクターを1台購入してみて「どのエフェクトが音にどう言った効果を与えるのか?」、「それぞれのエフェクトは、どう言ったセッティングが良いのか?」を勉強してみるのも良いかもしれません。