ライン録音とマイク録音の違いとは?ギター等の楽器は、どちらで録音すべきか?

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DTMにおいて、DAWソフトウェアにエレキギターやエレキベースなど楽器を録音する方法としては主に”ライン録音”と”マイク録音”の2通りあります。

基本的にはどちらの方法でも録音する事はでき、どちらを選ぶかはそれぞれの好みになってきますが、ライン録音、マイク録音それぞれにメリット・デメリットがあります。

 

ライン録音、マイク録音とは?

ライン録音=楽器とオーディオI/Oを直接接続

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ライン録音は、エレキギターやエレキベースなど楽器を直接(場合によっては間にエフェクターを挟んで)オーディオインターフェイス (?)の(Hi-Z (?))入力端子(INPUT)に接続して、「ギター/ベース/キーボードアンプを通さずに演奏した楽器の音を直接DAWソフトウェアに送り録音していく」方法です。

シールドケーブルの一方は、エレキギターやエレキベースなど楽器に接続し、もう一方はオーディオインターフェイス (?)の(Hi-Z (?))入力端子(INPUT)に接続する形になります。

音の辿る経路は、「楽器→オーディオインターフェイス (?)DAWソフトウェア(パソコン)」となります。

 

マイク録音=アンプからの出音をマイクで拾う

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一方マイク録音は、(ギター/ベース/キーボードアンプから音を出す)自然な楽器演奏の形に近くなります。

エレキギターやエレキベースなど楽器の音をアンプで鳴らし、アンプ前に立てたマイクでその音を拾いDAWソフトウェアへ録音していきます。

音の辿る経路は、「楽器(→エフェクター)→アンプ→マイク(→マイクプリアンプ)→オーディオインターフェイス (?)DAWソフトウェア(パソコン)」となります。



ライン録音のメリット

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ライン録音のメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

  • 数多くのプラグインエフェクトを試せる
  • プラグインエフェクトのかかりが良い
  • お金をかけずに(アンプ、マイク等が無くても)録音可能
  • 大きい音を出せない環境でも録音可能

 

数多くのプラグインエフェクトを試せる

エレキギターやエレキベース等の楽器をライン録音する場合、DAWソフトウェア上(もしくはDSP搭載のオーディオインターフェイス (?)上)でアンプシミュレーターなどのプラグインエフェクト (?) をかける事を前提として行うケースがほとんどかと思います。

エレキギターやエレキベース等の楽器をライン録音する場合では、DAWソフトウェア上のトラックにラインで録音した楽器の素の音(ダイレクト音)のファイルさえ残っていれば、プラグインエフェクト (?)を切り替えればどれだけでも後から音色を変える事が出来ます

しかし、あらかじめコンパクトエフェクター (?)等で音作りをしてからマイクで収音するマイク録音の場合、録音した時点でエフェクトがかかっている状態なので、(エフェクトがかかった状態に更にプラグインエフェクト (?)をかけることは可能ですが)後からエフェクトを切り替えたり、エフェクトがかかっていない状態に戻すことは出来ません。

 

プラグインエフェクトのかかりが良い

エレキギターやエレキベース等の楽器をライン録音した場合、何も加えらていない楽器そのままの音を録音する事になるので、プラグインエフェクト (?)のかかりが良くなる傾向にあります。(この辺りは、オーディオインターフェイス (?)のA/Dコンバータ(?)の質によっても変わってきます。)

 

お金をかけずに(アンプ、マイク等が無くても)録音可能

ライン録音する場合、シールドケーブルの一方をエレキギターやエレキベースなど楽器に接続し、もう一方はオーディオインターフェイス (?)の(Hi-Z (?))入力端子(INPUT)に接続する形になります。

そして、そのまま楽器を演奏してDAWソフトウェアで録音してしまえば、後はプラグインエフェクト (?) がほとんどの処理を(各コンパクトエフェクター (?)の役割は各プラグインエフェクト (?)が、ギター/ベース/キーボードアンプ、マイク(、マイクプリアンプ)の役割はアンプシミュレーターが)担ってくれます。

なので、コンパクトエフェクター (?)やギター/ベース/キーボードアンプ、コンデンサー/ダイナミックマイク、マイクプリアンプ等を持っていなくても録音が可能です。

 

大きい音を出せない環境でも録音可能

ライン録音の場合、ギター/ベース/キーボードアンプから音を出さずに録音する事が出来ます。そして、(モニタースピーカーを使う場合はモニタースピーカーから音が出ますが)ヘッドフォンのみでモニターする場合ならほとんど外に音をもらさずにエレキギターやエレキベース等の楽器の録音が可能です。

なので、アパートやマンションなど大きい音を出せないような環境でもエレキギターやエレキベース等の楽器の録音が可能となります。



マイク録音のメリット

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一方、エレキギターやエレキベース等の楽器をマイク録音する場合のメリットとしては以下の様な点が挙げられます。

  • プラグインエフェクト立ち上げによるCPU負荷を抑えられる
  • 残響(空気感)も一緒に録音出来る

 

プラグインエフェクト立ち上げによるCPU負荷を抑えられる

先程も触れたように、エレキギターやエレキベース等の楽器をライン録音する場合、プラグインエフェクト (?)の使用を前提として録音する場合がほとんどかと思います。

DAWソフトウェア上でアンプシミュレーターやコンプレッサー、ディレイ、リバーブ等プラグインエフェクト (?)を起ち上げて処理を行う場合、どうしてもCPU負荷が大きくなってきてしまいます。特にアンプシミュレーターやリバーブはCPU負荷が大きいものが多いので、「作業中のパソコンフリーズや強制シャットダウンしてしまう」と言ったトラブルに繋がりやすくなります

ですが、あらかじめコンパクトエフェクター (?)等でエフェクトをかけた音をアンプで出し、その音をマイクで収音するマイク録音の場合、DAWソフトウェア上にアンプシミュレーター等のプラグインエフェクト (?)を起ち上げる必要が無くなるので、そう言った心配もなくなります。。

 

空気感も一緒に録音出来る

スタジオや自宅の一室、どこで録音するにしてもマイク録音の場合はアンプからの音と一緒に残響音(リバーブ)も一緒にマイクで収音する事になります。

「残響音(リバーブ)も一緒に録りたい。楽器の音に空気感が欲しい」場合はメリットになります。

しかし、「余計な音を入れたくない。残響音(リバーブ)は要らない(プラグインエフェクト (?)のリバーブを使いたい)」と言った場合はデメリットになります。また、「ミックスした際に(他のトラックと質感が合わず)マイク録音したエレキギターやエレキベース等の意楽だけが浮いてしまう」と、言った事も起こり得ます。

吸音材を敷き詰めたようなスタジオや部屋の場合、残響音をかなり抑える事は可能かと思いますが、コストがかかってしまいます。かと言って、吸音材を施していないような場合、残響音を完全にシャットアウトする事はほぼ不可能かと思います。吸音材を設置するよりライン録音に切り替えてしてしまった方が手間もコストもかからず良いのではないかと(もちろん、各々の自由ですが)思います。



ライン録音、マイク録音、それぞれに適しているのは?

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ライン録音に適しているケース

  • 「気に入っているプラグインエフェクトがあり、それを使用したい」場合
  • 「質の良いA/Dコンバータを搭載したオーディオインターフェイスを持っている」場合
  • 「そこまで機材に多くのお金を使えない」場合
  • アパート・マンションなど「大きい音を出せない環境にいる」場合

 

上記に当てはまるような場合は、エレキギターやエレキベース等の楽器は”ライン録音”が適しているかと思います。

 

マイク録音に適しているケース

  • 「楽器と一緒に残響音(空気感)も録りたい」場合
  • 「アンプからの出音やマイクプリアンプを通した音を気に入っている」場合
  • 「普段、楽器を弾く時と同じような条件で録音したい」場合
  • 「ギター/ベースアンプへのマイキングを適切に行える」場合

 

一方で上記に当てはまるような場合は”マイク録音”が適しているかと思います。