ひとまずサンプラー上で(AKAI MPCの場合なら、AKAI MPC上で必要なシークエンスを作成し、ソング(Song)機能上でそれらをまとめて)トラックを作成し終えた。
ですが、その状態ではまだ1曲通しでのトラックはWAV(等の)音声ファイルとしては保存出来ていません。AKAI MPCや他サンプラー上で作成したトラックをCD-Rにコピーしたりインターネット上にアップロードするには、まずトラックをWAV等の音声ファイルとして保存しなければなりません。
AKAI MPCや他サンプラー上で作成したトラックをWAV(等の音声)ファイルとして保存する方法としては、主に以下の3通りが考えられます。
- DAWソフトウェアを使用してWAVファイルとして録音する
- MTR(マルチトラックレコーダー)を使用してWAVファイルとして録音する
- サンプラー本体内蔵メモリか外部メモリにWAVファイルとして録音する
この記事では、「1. DAWソフトを使用してWAVファイルとして録音する」方法について触れていきます。
作成したトラックのWAVファイル化に必要な機材
AKAI MPCや他サンプラー上で作成したトラックをWAVファイルとして保存する為、最低限必要になってくる機材は以下のようになります。
- DAWソフトウェア
- パソコン
- オーディオインターフェイス
- シールドケーブル
DAWソフトウェア、パソコン
DAWソフトウェアは音源の録音や編集を行う事が出来るソフトで、パソコン上にインストールして使う事になります。サンプラーを使用したビートメイクに限らず、個人でDTM・宅録をしている場合やプロの楽曲製作でも使われる物です。
AKAI MPC ELEMENTやAKAI MPC Studio、AKAI MPC Touch、AKAI MPC Renaissance等比較的最近リリースされたPC(ソフトウェア)連動型のAKAI MPCシリーズのモデルなら、サンプラー本体を購入した際にAKAI Professional公式サイトで”MPC Beats”や”MPC Software(2)”をダウンロードする為のパスキー等が一緒に入っているかと思いますが、この”MPC Beats”や”MPC Software(2)”がDAWソフトウェアになります(スタンドアローン型のモデルでも”MPC Beats”や”MPC Software(2)”が使える製品もあります)。
なので、これら“MPC Beats”や”MPC Software(2)”がダウンロード出来る場合は新しくDAWソフトウェアを買う必要はありません。
同様にNATIVE INSTRUMENTS / MASCHINシリーズを買った場合も自動的にKOMPLETE (11) SELECT等のDAWソフトウェアが使えるようになるので、新たにDAWソフトウェアを購入する必要はありません。
もちろん、以前からこれら以外のDAWソフトウェアを使っていて「操作にも慣れているお気に入りのDAWソフトウェアがある」様な場合は、そのDAWソフトウェア使っても良いし「気になっているDAWソフトウェアがあるので、この際それを新しく購入して使ってみたい」と、言った場合は新しくDAWソフトウェを購入してみても良いでしょう。
ただ、予算に余裕が無い場合は無理せずサンプラー本体を購入した際に付属してきたDAWソフトウェアを使っていれば良いかと思います。
どうしても「新しくDAWソフトウェアを購入したい」場合は、各DAWソフトウェア 動作環境 / 推奨環境にて各メーカーのDAWソフトウェア、DAWソフトウェアごとの必要環境/推奨環境、及び必要環境/推奨環境に対応したパソコンを紹介しているので、そちらも参考にしてみると良いかもしれません。
各サンプラー付属DAWソフトウェア別動作環境 / 推奨環境 + 動作環境対応パソコン:AKAI MPCシリーズ »
各サンプラー付属DAWソフトウェア別動作環境 / 推奨環境 + 動作環境対応パソコン:MASCHINEシリーズ »
オーディオインターフェイス
オーディオインターフェイスも、DAWソフトウェア上に音声を録音するには必要になってきます。「バンド等、大人数で一発撮りをする」ならまだしも、「AKAI MPCや他サンプラー上で作ったトラックをDAWソフトウェアで録音する」くらいの作業なら最低限の入力数(INPUT)=2チャンネルあればDAWソフトウェアへの録音は出来てしまいます。
詳しくは(スタンドアローン型)サンプラーで作成したトラックをDAWソフトウェアに書きだす際に最適なオーディオインターフェイスは?を参考に。
シールドケーブル
シールドケーブルは両端にフォーンプラグ(?)が付いている、いわゆるエレキギターとギターアンプを接続する際に用いられるギターケーブルのようなケーブルです(種類や選び方等に関しては、サンプラー等アナログ機材を使う場合のケーブル選びで気を付けたいポイントを参考に)。
シールドケーブルは、AKAI MPCとオーディオインターフェイスを接続する為に使用します。
サンプラーで作成したトラックをWAVファイルとして保存する手順
AKAI MPCや他サンプラー上で作成したトラックをWAVファイルとして保存するのに特に難しい事は無く、手順は以下のようになります。
- 各機器の接続
- DAWソフトウェア上に新規のチャンネル(トラック)を起ち上げる
- ソング(Song)画面を表示させておく(AKAI MPCの場合)
- DAWソフトウェア上新規チャンネル(トラック)の”REC”ボタンを押す
- AKAI MPC上のソング(Song)を再生する(AKAI MPCの場合)
- DAWソフトウェア上新規チャンネル(トラック)の”RECストップ”ボタンを押す
各機器の接続
- オーディオインターフェイスとパソコン
- AKAI MPCとオーディオインターフェイス
をそれぞれ接続する必要があります。
まず、オーディオインターフェイスのUSB(?)ケーブルをパソコンのUSBポートへと接続。
AKAI MPCや他サンプラーとオーディオインターフェイスの接続は、(AKAI MPCの場合は)AKAI MPCとモニタースピーカーを接続する時と同じく、シールドケーブルの一方をAKAI MPCのステレオアウト(STEREO OUT)へ接続(ステレオ形式で録音したい場合は、L ch(チャンネル)、R ch(チャンネル)の両方に、モノラル形式で録音する場合、L ch(チャンネル)、R ch(チャンネル)、どちらか一方に)。そして、シールドケーブルのもう一方をオーディオインターフェイスのインプット(INPUT)ジャックへ接続します。
DAWソフトウェア上に新規のチャンネル(トラック)を起ち上げる
各機器が接続出来たら、パソコンに起ち上げておいたDAWソフトウェア上に新規のチャンネル(トラック)を作成します。ステレオ形式のWAVファイルを作成するならステレオチャンネルを、モノラル形式のWAVファイルを作成するならモノラルチャンネルを起ち上げておきます。
ソング(Song)画面を表示させておく(AKAI MPCの場合)
WAVファイル化したいトラックのデータをAKAI MPCのソング画面上に読み込んで表示させておきます(AKAI MPCの場合)。カーソルは1番最初のシークエンスに合わせておきます。
新規チャンネル(トラック)の”REC”ボタンを押す
DAWソフトウェア上に新規チャンネルを起ち上げAKAI MPC、他サンプラー側の準備も整ったら、DAWソフトウェア上に起ち上げた新規チャンネルの”REC”ボタンを押します。
ソング(Song)を再生する(AKAI MPCの場合)
DAWソフトウェア上に起ち上げた新規チャンネルの”RECボタン”を押したら録音が開始されるので、 次にAKAI MPC上のソングを再生(AKAI MPCの場合)させます。
DAWソフトウェア上新規チャンネル(トラック)の”RECストップ”ボタンを押す
AKAI MPCのソングを再生(AKAI MPCの場合)させれば、ソングデータがWAV(等の音声)ファイルとして録音されていきます。トラックを一通り再生し全て録音し終えたら、DAWソフトウェア上新規チャンネル(トラック)の”RECストップ”ボタンを押して録音を終了させます。
これでAKAI MPC他サンプラー上で作成したトラックがWAV(等の音声)ファイルとしてDAWソフトウェア上に記録されたので、あとはこのWAV(等の音声)ファイルをDAWソフトウェア側で保存すれば完了となります。