AKAI MPCには、様々なモデルが存在する。過去販売されていた物にはスタンドアローンタイプの製品が多かったが、最近のモデルはPC(ソフトウェア)連動型が多くなっている。
この記事では、スタンドアローンとPC連動型の違いから、それぞれのメリット・デメリット、それぞれの機種まで触れて行く。
AKAI MPC-スタンドアローンとソフトウェア連動型の違いとは?
スタンドアローン型とは?
スタンドアローンとは、AKAI MPC単体で動作する、つまりPC(パソコン)を始め他のあらゆる機器に接続せずともAKAI MPC
のみで使用・楽曲製作が行えるタイプの物の事を言う。扱いとしては、サンプラーとなる。
MPC60に始まり、2000、2000XL、3000など、昔からアメリカの有名なHip Hopプロデューサー達がスタンドアローン型を使用していた事もあり“AKAI MPC=スタンドアローン型”と言うイメージが強いかと思う。
ソフトウェア連動型とは?
ソフトウェア連動型とは、AKAI MPCとパソコンをUSBで接続し付属のMPC Softwareをパソコン上にインストールした上で使用するタイプの物だ。MPC単体では動作せず、楽曲製作したい場合MPC Softwareをパソコン上で起動する必要がある。正確な扱いは、MIDIコントローラーとなる。
それぞれのメリット・デメリット
スタンドアローン型のメリット
スタンドアローン型のメリットとしては、以下の点が挙げられる。
- スムーズに楽曲製作開始できる
- パソコンが無くても楽曲製作可能
スムーズに楽曲製作開始できる
ソフトウェア連動型の場合、楽曲製作するにしても1回1回パソコンを起動する必要があるが、スタンドアローン型の場合はMPCの電源さえ入れてしまえば、すぐに楽曲製作を開始する事が可能だ。1回1回パソコンが起動するのを待つ時間でも煩わしく感じる人にはスタンドアローンの方が向いているかと思う。。
パソコンが無くても楽曲製作可能
先ほど触れた「パソコンの起動を待つ必要が無い」点を含め、パソコンが必要無いと言う事には様々なメリットがある。簡単に挙げてみても
- パソコンを所持していない人でも楽曲製作できる
- キーボード操作を始めとしたパソコン操作が苦手な人でも扱える
- ソフトウェアの操作を覚える必要が無い
このようなメリットがある。
スタンドアローン型のデメリット
一方、スタンドアローン型のデメリットとしては、以下の点が挙げられる。
- 新品が手に入りにくい(中古品が多い)
- 不具合が起こり易い
- サイズが大きい、重い
新品が手に入りにくい
スタンドアローン型でも比較的最近発売されたモデル、AKAI MPC ONEやAKAI MPC X、AKAI MPC LIVE等を除いては生鮮終了品(AKAI MPC 60 ./ 60Ⅱ、AKAI 2000 / 2000XL、AKAI MPC 3000、AKAI MPC 500、AKAI MPC 1000、AKAI MPC 2500、AKAI MPC 5000、AKAI MPC 4000)がほとんどとなる。入手したい場合は、YAHOO!オークションを始めとしたオークションサイトや楽天、Amazon、YAHOO!ショッピング等で中古品を購入するか、知人から譲ってもらうなど入手方法が限られてくる。
不具合が起こり易い
中古品なので、当然新品に比べて不具合が起こり易い。特に古い機種では、使用されているパーツが古くなったりして使用していくうちに正常に動作しなくなる事も充分あり得る。
サイズが大きい、重い
最近出てきているソフトウェア連動型の物と比較するとスタンドアローン型は、重量もあり、またサイズも大きい製品が多い(AKAI MPC 500、AKAI MPC 1000、AKAI MPC LIVE 1 / 2等の例外もあるが)。置き場所に困る事も充分あり得る。
ソフトウェア連動型のメリット
ソフトウェア連動型のメリットとしては、以下の点が挙げられる。
- データセーブ・ロードが早い
- 保存できるデータ容量が大きい
- DAWに慣れている人は扱いやすい
- より細かいエディットが可能
データセーブ・ロードが早い。保存できるデータ容量が大きい
ソフトウェア連動型の場合、音源などのデータはUSBを通じてパソコン側で保存される。MPC内の保存領域、またはCFカードやフロッピーディスクなどの記録媒体にデータを保存するスタンドアローン型に比べ、データセーブ・ロードの時間、保存できるデータ容量ともに優れている。
DAWに慣れている人は扱いやすい。より細かいエディットが可能
ソフトウェアなので、操作においてDAWソフトの操作と共通する部分は少なからずあるかと思う。そう言った意味でDAWソフトの扱いに慣れている人は、DAWソフトを扱った事が無い人に比べてMPCソフトウェアの扱いもしやすいかと思う。また、スタンドアローン型より細かく視覚的に細かいエディットが可能になるかと思う。
ソフトウェア連動型のデメリット
ソフトウェア連動型のデメリットとしては、以下の点が挙げられる。
- パソコンが無いと使用できない
- PCとの接続で不具合が起こる事もある
パソコンが無いと使用できない
ソフトウェア連動型は、MPCソフトウェアを起動し、そこへMPCからの信号を送って初めて音が出る。MPCはあくまでMIDIコントローラーの役割しか果たさないのでパソコンが無ければどうにもならない。
PCとの接続で不具合が起こる事もある
USBでMPCとパソコンを接続する際も不具合が起こる可能性は充分ある。使用する環境によって、パソコン側で認識出来なかったり、細かい設定が必要であったり。
スタンドアローン型のMPC、ソフトウェア連動型のMPC
スタンドアローン型のMPC、ソフトウェア連動型のMPC、それぞれほんの一例を紹介する。もちろんここに挙げた物意外にも多くある。
スタンドアローン型
MPC 2500
当サイトでも取り上げているAKAI MPC 2500。MPC3000等のようにMPCを通すことでの音の質感の変化はさほど感じられない。
MPC X
比較的最近のモデル。パソコンに接続して(MIDIコントローラーとして)も使用する事が出来る。
AKAI MPC Live
パッと見はAKAI MPC TOUCHに似ているが、AKAI MPC Liveはスタンドアローンで動作する。
ソフトウェア連動型のMPC
AKAI MPC Renaissance
ソフトウェア連動型でありながら、歴代のMPCシリーズをほうふつとさせるカラーのモデルAKAI MPC Renaissance。
AKAI MPC Studio Black
4万円台と比較的手に入れやすい価格となっているAKAI MPC Studio Black。本体は薄い作りになっている。
AKAI MPC TOUCH
スマホ画面をタッチするかのように画面をタッチしながら楽曲製作が行えるAKAI MPC TOUCH。