AKAI MPC比較:シリーズ別
AKAI MPC比較
すでに生産が終了してしまった機種から比較的最近発売された現行機種までAKAI MPCシリーズ各機種の仕様や特徴を個別に比較しています。
Sound & Recording Magazine (サウンド アンド レコーディング マガジン)にてAKAI MPCが特集された号やAKAI MPCに関する歴史がまとめられた書籍、またサンプラー初心者向けにサンプラーの使い方が解説された書籍等。
AKAI MPCの歴史・概要
AKAI MPCシリーズの始まりはAKAI MPC 60から
国内外問わずヒップホッププロデューサー、ビートメイカーに愛用者が多く存在するAKAI Professional製のサンプラー”AKAI MPCシリーズ”。
AKAI MPCのMPCは、”MIDI Production Center”(現在は、”Music Production Center”)の略であり、”AKAI MPCシリーズ”は1988年に発売されたAKAI MPC 60からその歴史が始まりました。この初代MPCであるAKAI MPC 60は、LM-1やリンドラム(LinnDrum)を生み出したアメリカのエンジニア、ロジャー・リン(Roger Linn)によって設計されました。そしてその後、AKAI MPC 60 Ⅱ、AKAI MPC 3000,、AKAI MPC 2000、AKAI MPC 2000 XL、と後続機種が発売されていきました。
そもそもサンプラーとは、レコード等外部からの音声信号を録音し、それを機材本体の内蔵メモリや外部メモリに記録、そして記録した音声データを本体のパッドへ(AKAI MPCの場合は16個が主流。ただし、AKAI MPC 500は12個)割り当て(アサイン)、パッドを叩くとアサインされた音が鳴る、と言う仕組みの”楽器”に近いですが完全に”楽器”とも言い難い機材です。見た目だけだとMIDIコントローラーにも形状がよく似た製品があり、間違えがちですがサンプラーとMIDIコントローラーは別の物です。
スタンドアローンとパソコン(ソフトウェア)連動型
スタンドアローンとは、機材(この場合はAKAI MPC)本体のみ(単体動作)でも楽曲製作が可能な物を言います。一方でパソコン(ソフトウェア)連動型とは、USBケーブルでAKAI MPCとパソコンとを接続しパソコン上に専用のソフトウェアを起ち上げなければ使う事が出来ない物の事を言います。
AKAI MPCシリーズの当初のモデルはパソコンと接続せずともスタンドアローン(単体動作)で使用出来る製品が主流でしたが、近年ではAKAI MPC TouchやAKAI MPC Renaissance等、パソコンと接続して使用する事が前提となっている製品も発売されています。(【AKAI MPC】スタンドアローン型とPC連動型の違いを比較)
動作 | 発売年 | |
---|---|---|
AKAI MPC 60 | スタンドアローン | 1988 |
AKAI MPC 60Ⅱ | スタンドアローン | |
AKAI MPC 3000 | スタンドアローン | 1994 |
AKAI MPC 2000 | スタンドアローン | 1997 |
AKAI MPC 2000 XL | スタンドアローン | 1999 |
AKAI MPC 2500 | スタンドアローン | |
AKAI MPC 4000 | スタンドアローン | |
AKAI MPC 5000 | スタンドアローン | |
AKAI MPC 500 | スタンドアローン | |
AKAI MPC 1000 | スタンドアローン | |
AKAI MPC Studio Black | PC連動型 | |
AKAI MPC Touch | PC連動型 | |
AKAI MPC ELEMENT | PC連動型 | |
AKAI MPC Renaissance | PC連動型 | |
AKAI MPC ONE | スタンドアローン | |
AKAI MPC X | スタンドアローン | |
AKAI MPC LIVE | スタンドアローン |
マシン上に並ぶ16個のパッド
AKAI MPCと言えば、マシン上に並んぶ16個のパッド(AKAI MPC 500は12個)が特徴的です。より直観的な音楽制作を可能にするこの16個のパッドが並ぶスタイルは初号機であるAKAI MPC 60の時から一貫しています。更に近年発売されているモデルでは、この16個のパッドにバックライト機能が搭載された製品が多くあります。
共通性のあるAKAI MPC 500 ~ 5000
AKAI MPC 500、AKAI MPC 1000、AKAI MPC 2500、AKAI MPC 5000の4機種はそれぞれ見た目や機能的に似た作りの製品になっています。それぞれの違いとしては、Q-LINK Knob / Sliderそれぞれの数であったり、内蔵メモリの容量であったり、サイズ・重量であったり、といった部分になります。サイズ・重量的にはAKAI MPC 500、AKAI MPC 1000、AKAI MPC 2500、AKAI MPC 5000の順に大きく、重くなっています。
限られてくる生産終了機種の入手方法
多くのヒップホップアーティストに愛用されてきたサンプラーAKAI MPCシリーズですが、過去の製品はすでに生産終了してしまった物が多い為「YAHOO!ショッピングやフリマサイト、楽器店等で中古品を入手する」、または知人から譲ってもらう等、入手方法は限られてきます。ですが、一方で比較的最近発売された新しいモデルもは(一部を除いて)新品で入手することも可能となっています。
AKAI MPCシリーズ、それぞれの使用者
国内外問わずAKAI MPCシリーズを愛用するビートメイカー・プロデューサーは数多く存在します。
もし、(AKAI MPC 60、AKAI MPC 60 Ⅱ、AKAI MPC 2000、AKAI MPC 2000XL、AKAI MPC 3000、AKAI MPC 2500、AKAI MPC 500、AKAI MPC 1000、AKAI MPC 4000、AKAI MPC 5000等)それぞれ過去歴代機種ごとの使用アーティストを知りたい場合は、
サウンドレコーディングマガジン 2012年12月号に国内外の使用アーティストの一部が掲載されているので、そちらが参考になるかもしれません。
サウンドアンドレコーディングマガジン 2012年12月号 »
AKAI MPCが特集されている号。AKAI MPC 60~AKAI MPC 5000、AKAI MPC 500・100まで、それぞれ過去歴代機種ごとの使用アーティストを掲載。掲載されているアーティストは、DJ Premier、KANYE WEST(Ye)、Pete Rock、KREVA、他。
ますます広がりを見せるAKAI MPCシリーズによるビートメイクの選択肢
直観的なビートメイクを可能にするスタンドアローン型
元々のAKAI MPCシリーズの形であるスタンドアローン(単体動作が可能な)タイプ。パソコンが無くともAKAI MPC(とデータとして取り込まれたサンプル素材やオリジナル音源)さえあればすぐにビートメイクが可能です。マシン上に配置されたパッドを叩く事でビートを構築していくスタイルなので、楽器を演奏するような感覚でビートメイクが出来、瞬間的に閃いたアイデアを素早く直感的に形にする事も可能です。
楽器演奏の経験があったり、「楽器を弾くような感覚で直感的にビートメイクがしたい」と、言った方ならこちらのタイプがおすすめです。
サウンドアレンジが無限大に広がるPC(ソフトウェア)連動型
一方、近年多くなってきたPC(ソフトウェア)連動型タイプは、MPCの他にパソコンが無ければビートメイクを行う事が出来ません。MPCとパソコンをケーブルで繋ぎ、さらにパソコン上に専用のソフトウェアをダウンロードした上でビートメイクをしていく事になります。「わざわざパソコンと繋がなければならない」と、言う点はデメリットかもしれませんが、その代わりに「(スタンドアローンタイプよりも)多くの音源データをパソコン内で管理出来る」、「(スタンドアローンタイプよりも)多くのエフェクトをかけれる」と、言ったようなメリットがあり、サウンドアレンジの幅をグッと広げる事が可能となっています。
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▼スタンドアローン
∟ONE / X | LIVE 1 / LIVE 2 | 2000XL | 500 | 1000 | 2500 | 5000
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∟Studio Black | ELEMENT | Touch / Renaissance
MIDIキーボードやMIDIコントローラー等、AKAI MPC以外のAKAI Professional製の製品の比較。