〈同一サンプル〉「Nas / You Wouldn’t Understand」と「Nelly / Long Gone」におけるサウンド面の違いとは?

〈同一サンプル〉「Nas / You Wouldn’t Understand」と「Nelly / Long Gone」におけるサウンド面の違いとは?
 

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ヒップホップでは、異なるアーティストが同じネタをサンプリングした楽曲が出てくるケースが少なからずある。

「Nas / You Wouldn’t Understand」(アルバムLife Is Good収録)と「Nelly / Long Gone」(アルバム5.0収録)は共に「Miles Jaye / Let’s Start Love Over」をサンプリングしたトラックとなっている。(それぞれプロデューサーは異なる。「Nas / You Wouldn’t Understand」は、Buckwildプロデュース。「Nelly / Long Gone」は、Polow da Donプロデュース。)

パッと聴いた感じではそこまで違いを感じられないかもしれないが、じっくり聴く事で両者トラックの細かい違いが少しずつ分ってくる。この記事では、著者が聴いた限りで感じた「両者のトラックの作りの違い、サウンド処理の違い」について触れて行きたいと思う。

DAWソフトやアナライザーは使用せず、聴感のみで判断しているので正確性は保証出来ません。ご了承ください。

 

サンプルの切り出し箇所に関して

ターンテーブル_03

まず、両者トラックのサンプルの切り出し箇所の違いを見て行く。

 

イントロ5小節目~8小節目(?)がサンプリングされた「You Wouldn’t~」

まず「Nas / You Woudn’t~」の場合だが、元ネタのイントロ頭~の4小節はサンプリングされずに5小節目~8小節目がおそらくサンプリングされているかと思う。

高音域のパッドが入ってくる部分である。

 

イントロ頭の4小節もサンプリングされた「Long Gone」

一方「Nelly / Long Gone」の場合、元ネタのイントロ頭からの4小節も楽曲初めの4小節に使用されている。そして、5小節目以降は「Nas / You Woudn’t~」と同じように元ネタのイントロ5小節目~8小節目が使用されているかと思う。

 

「元ネタの1~4小節目なのか5~8小節目なのか?」は、ヴォーカルであったり高音域で判断できる。元ネタのイントロ頭~の4小節は、高音域のパッドの音が5~8小節目よりも小さく、その代わりにもう1つ高音域で鳴ってる音が結構大きい。



ドラムパターンに関して

drum_2

次に、ドラムパターンから「Nas / You Wouldn’t Understand」「Nelly / Long Gone」の違いを見て行く。

 

クラップが足されている「You Wouldn’t~」

まず、元ネタ「Miles Jaye / Let’s Start Love Over」の基本的なドラムパターンを簡単に表したのが以下の図になる。(分りやすくする為、ベースドラムは省略した。)

 

different_between_nas_and_nelly_track01

 

 

「Nas / You Wouldn’t~」のヴァースパートでは、この元ネタの基本的ドラムパターンにクラップが足されている。下記画像で分るように、足されているのは1小節目4拍目のスネアの位置となる。(確かな事は言えないが、おそらく元のスネアの音はそのままで上から足しているかと思う。)

 

different_between_nas_and_nelly_track_02

 

そしてフックでは、このクラップが抜かれて元ネタのドラムパターンに戻っている。

 

フック終わりの1小節にベースドラム(打ち込み)が足された「Long Gone」

一方「Long Gone」では、基本的には先ほども触れた元ネタ通りのドラムパターンがそのまま使用されている。

 

different_between_nas_and_nelly_track01

 

 

ただ、フック終わりの1小節で元のドラムパターンを全ミュートし、新たにベースドラムが打ち込まれている箇所が何箇所かある。

 

ドラムへのリバーブ

ドラムにたいしてのリバーブだが、スネアを聴いた感じでは「Long Gone」の方が若干リバーブのかかりが深いように感じた。



その他の違いに関して

yes-or-no

その他にも両者トラックには細かい違いがある。

 

例えば、「Long Gone」では曲出だしでヴォーカルサンプルが2回使われていたり、サイレン音が足されていたり。

また微妙な違いで確かな事は言えないが、「Long Gone」の方がパッドなどの高音域とベースドラムの低音域が若干強調されていたような気がする。

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