KRK ROKIT 5(RP5G3)は、様々なDTM製品を取り扱うKRKから発売されているペア3万円程度で購入可能なモニタースピーカーです。
サンプラーを使用したビートメイクを始めるにあたって必要になる機材(物)でも触れているようにビートメイクを行う場合(Fに限らずDTM・宅録を行う場合)、サンプラー本体に接続したヘッドフォンのみで出音や完成したビート(の2ミックス)をモニターするよりも「ビート全体の(ミックス)バランスを掴む事が出来る」等数多くのメリットがあるのでビートメイク時にはヘッドフォンとモニタースピーカーを併用してモニターする事をおすすめします。
モニタースピーカーにも様々な製品がありますが、この記事ではサウンドレコーディングマガジンや他メディアで国内外のビートメイカーが仕自身の使用機材として紹介している記事を目にする機会がたびたびあり、かつ筆者自身も所有している「”KRK ROKIT 5″がサンプラーを使用したビートメイクに適切なのか?」について触れていきたいと思います(関連記事:サンプラーを使用したビートメイクをする際も用意したい”モニタースピーカー”とは?)。
KRK ROKIT 5:基本的なスペック
KRK Rokit 5の基本的なスペックは以下のようになります。
- 形式:2Way、アクティブモニタースピーカーシステム
- 低域:5″ Aramid Glass Composite woofer、 高域:1″ soft dome tweeter
- 周波数特性:45Hz – 35kHz、
- Max Peak SPL:106 dB
- パワーアンプ:クラスA-B 50W
- 入力コネクター:RCA、1/4″ TRS、XLR
- 寸法:230mmx185mmx282mm
- 重量:6.4kg
(amazonより)
KRK ROKIT 5の良い点
KRK ROKIT 5の良い点、及び筆者がモニタースピーカーにこのKRK ROKIT 5を選んだ主な理由としては以下の様なものがあります。
- デザイン(色)
- 45Hz~35kHZの幅広い周波数特性
- 低域を絞れるLF LEVEL ADJUST機能
デザイン(色)
デザインに関しては完全に個人個人の好みの問題になってきますが、個人的にはKRK ROKIT5のデザイン(スピーカーコーンの色づかい)が好きでした。
45Hz~35kHZの幅広い周波数特性
KRK ROKIT 5における周波数特性は45Hz~35kHzとなっています。
例えば(フラットな音と言われるYAMAHAシリーズの)YAMAHA HS5Wの場合、周波数特性は54Hz-30kHz。MACKIE CR3の場合も周波数特性は80Hz~20KHzとなっています。
例として挙げた上記の2点と比較してもKRK ROKIT 5の方が低域・高域ともに幅広い周波数帯域をカバーしており、高域に関しては20kHz(人間の可聴域は高域で20kHzあたりまで)程度でも充分だと思いますが、低域は「出来れば少しでも幅広くモニターしたい」と、思っていたのでKRK ROKIT5はその点で良かったと思います。
大きい音を出せない環境で試す価値あり?低域を絞れるLF LEVEL ADJUST機能
KRK ROKIT5の特筆すべき機能の1つとしてLF LEVEL ADJUST(HF LEVEL ADJUST)があります(先程の画像のつまみ)。
これらは特定の帯域の音量を抑える事が出来るもので、LF LEVEL ADJUSTを-(マイナス)方向に操作すれば低域の音量を、HF LEVEL ADJUSTのつまみを-(マイナス)方向に絞れば高域の音量をそれぞれ抑える事が出来ます。
特に低域の音は壁を挟んだ状態等でも周りに響きます。そして、ヒップホップ系のビートでは、どうしてもベースやベースドラム等の低域の音量が大きくなりがちです。
なので、あまり大きい音を出せないような環境では「基本の音量に気をつける」のはもちろん、それにプラスして「LF LEVEL ADJUSTで低域の音量を絞ってみる」事で、ある程度のモニター環境は確保しつつ少しでもトラブルを防ぐ方向に持って行く事が出来るのではないでしょうか。
KRK ROKIT 5の気になった点
サイズ、重量
KRK ROKIT5のサイズは”230mmx185mmx282mm”となっており人にもよるかと思いますが、正直な感想としては「自宅で使用するには若干大きい」気がしました。重量しても1個1個がそこそこ重く感じました。
KRK ROKIT 5はビートメイクのモニタースピーカーとして適切なのか?
個人的には、この「KRK ROKIT 5をサンプラーを使用したビートメイクのモニタースピーカーに選んでも全く問題は無い」と感じます。
ただ、製作環境に「あまり大きいモニタースピーカーは置けない(置きたくない)」と言う場合は、もっとサイズの小さい、重量も軽い製品を探すと良いかと思います。