スタンドアローン型のサンプラーで作成したトラックをDAWソフトウェア上にWAV(等の)ファイルとして保存する場合、DAWソフトウェア、パソコン、サンプラー本体の他にサンプラーとパソコンの間に設置するオーディオインターフェイスも必要になってきます。
オーディオインターフェイスは、サンプラー本体から出力されたアナログ音声信号を(アナログ信号のままではパソコンで記録する事が出来ないので)パソコン上のDAWソフトウェで読み込むことが出来るデジタル信号へ変換する為の物ですが、今までオーディオインターフェイスを使った事が無い人の場合、「どのようにオーディオインターフェイスを選べば良いか分らない」人も少なくないかもしれません。
スタンドアローン型のサンプラーで作成したトラックをDAWソフトウェア上にWAV(等の)ファイルとして保存する場合、一体どのようなオーディオインターフェイスを選べば良いのでしょうか。
「予算を抑えたい」場合:入力が2chある物ならOK
オーディオインターフェイスの基本的な作り
ブランドやモデルによっても異なりますが、オーディオインターフェイスの基本的な作りとしては、アナログ信号を入力する為のいくつかのT(R)S(?)、XLR(?)入力端子、アナログ信号から変換されたデジタル信号をパソコンへ出力する為のUSB(?)端子、MIDI(?)入出力端子、等の入出力系。
プラスしてモニターボリュームや入出力レベルをコントロールする為のノブ、他ブランドやモデルによってプラスで付いてくるオプション(例えばローランド(Roland)の”Rubix”シリーズ であれば、ループ・バック(LOOP BACK)機能やグラウンド・リフト(GROUND LIFT)機能、モツ(MOTU)の”M”シリーズなら前面パネルのフルカラーディスプレイ、等)から構成されます(オーディオインターフェイスの基本的な作りに関して詳しくは、オーディオインターフェイスの基本的な使用方法参照)。
入力が2chあれば、ステレオ形式での録音は可能
オーディオインターフェイスに搭載されている入力端子の数が多くなれば、それだけ同時に入力できるトラック(チャンネル)の数も多くなりますが、値段も高くなる傾向にあります。
ですので「予算を出来るだけ抑えたい」場合は最低限、入力端子=INPUT(インプット)が2ch(チャンネル)あるオーディオインターフェイスを購入しておけば、サンプラーのLch、Rchから出力されたそれぞれのアナログ音声信号を処理し、ステレオデータとしてDAWソフトウェアに出力させる事が出来るので 、スタンドアローン型のサンプラーで作成したトラックをDAWソフトウェア上にステレオ形式のWAVファイルとして保存する事は出来てしまいます。
なので、以下に挙げたような入力端子=INPUT(インプット)が2ch(チャンネル)で割と有名なブランドの製品を選んでおけば、大きな問題は無いはずです。
+++おすすめオーディオインターフェイス(有名ブランドで入力端子が2chのモデル)+++
MOTU M2
Amazon 楽天 Sound House
Roland RUBIX-22
Amazon 楽天 Sound House
例えば、MOTU M2(Amazonへリンク)は、Mac/Windows両方に対応した2inのオーディオインターフェイスで、入力レベル・出力レベルを視覚的に確認出来るフルカラーディスプレイが正面に搭載されており、使いやすいのではないかと思います。ただ、USB端子がType-Cになっているので注意が必要です。
また、こちらもMac/Windows両方に対応しているRoland RUBIX-22(Amazonへリンク)は、2チャンネルのアナログ入力が搭載されたモデルでMOTU M2よりも安く購入しやすくなっています。
オーディオインターフェイス比較:ローランド(Roland) »
パラアウトを用いる場合:入力が4ch以上ある物
入力が2chでも充分なのは、サンプラー側のマスタートラックを出力する場合
この記事でここまで触れてきた内容は「サンプラー側のマスタートラックを出力する」事を前提とした話でした。
マスタートラックは、そのトラックを作成する為に使った全ての音(例えばキック=バスドラム=ベースドラム、スネア、ハイハット、自身のエレキギターの演奏をセルフサンプリングした音、レコードからサンプリングした音、など)を(ステレオ形式ならL、Rの2chに、モノラル形式なら1chに)まとめたものです。
しかし、サンプラーによってはパラレル・アウトプット(Parallel Output。パラアウトと略される事が多い)が可能なモデルがあります。
パラレル・アウトプットは、1つ1つのチャンネルを個別に出力出来る機能です。トラックを1度再生させてしまえば、例えば「ベースドラムだけの音をDAWソフトウェア上のAと言うトラックに、スネアだけの音をBと言うトラックに、ハイハットの音をCと言うトラックに」と言った具合に、サンプラー側の各チャンネルの音声信号をDAWソフトウェア上で別々のトラックに振り分ける事が出来てしまいます。
パラアウトを使った方が作業的に楽
もちろん、ベースドラムやスネア、ハイハットのチャンネルをその都度指定し、それらを1チャンネルごと個別にDAWソフトウェアに録音、それを何度も繰り返し最後にDAWソフトウェア上で各トラックの頭(タイミング)を揃えても同じ結果になりますが、この方法だと何回もサンプラー側でトラックを再生・DAW側での録音作業を行わなければならないので少々手間がかかります。
一方、パラアウトであれば1回トラックを再生するだけでベースドラムやスネア等各パーツをDAWソフトウェア上の別々のトラックに録音する事が出来るので圧倒的に作業が楽になります。
パラアウト出力する分だけオーディオインターフェイスの入力チャンネルも必要
確かにパラアウトを使えば作業は楽になりますが、その分オーディオインターフェイス側の入力端子も多く(サンプラー側で同時に出力するトラックの分だけ)必要になってきます。
例えば同時にパラアウトしたいトラックが、ベースドラム、スネア、ハイハット、シンバルの4つあったとすれば、全てモノラルで出力する場合で4チャンネル、全てステレオで出力する場合なら8チャンネル分のサンプラー側のアウトプットを使う事になり、イコール、オーディオインターフェイス側の入力端子も同じ数が必要になってきます。
なので、「サンプラーのパラアウト機能も使いたい」場合は、以下に挙げたような入力=INPUT(インプット)が4ch~8ch(チャンネル)程あり割と有名なブランドの製品を選んでおけば、大きな問題は無いはずです(もちろん更に入力チャンネルが搭載されたモデルを選んでも良いですが、価格も高くなります)。
+++パラアウトを用いる場合におすすめのオーディオインターフェイス(有名ブランドで入力が4=8chのモデル)+++
MOTU M6
Amazon 楽天 Sound House
Roland Rubix44
Amazon 楽天 Sound House
MOTU M6(Amazonへリンク)は、先ほど紹介したMOTU M2の上位モデルとなります。XLR/TRSコンボジャックが4チャンネル、TRS入力が2チャンネル、同時に合計6チャンネルのアナログ入力が可能となっています。
Roland RUBIX44(Amazonへリンク)は、先ほど紹介したRoland RUBIX-22の上位モデルとなります。入力チャンネルが4チャンネルとなっており、更にオーディオインターフェイス本体にコンプレッサー/リミッター機能が搭載されています。