本名(の一部)にフランス語名を持つ米ヒップホップ / R&Bアーティスト6人

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アメリカ人の人名に使用されるのは何も英語だけでは無く、フランス(起源の)語やスコットランドアイルランド(起源の語)、イタリア語など様々な言語が本名に使用されるケースがある。

 

ファーストネーム(名)・ミドルネーム・ラストネーム(姓)のいずれかにフランス語の名前を持つアメリカのヒップホップ / R&Bアーティストを調べてみると、アメリカ合衆国南部(テキサス州、ルイジアナ州、ジョージア州周辺)の出身者に多く、(この記事中で挙げた6人中2人がジョージア州アトランタ出身、2人がテキサス州ヒューストン出身、残り2人がカリフォルニア州出身となった。もっと多くの人数を調べる事も可能だが、時間がかかり過ぎる為、取りあえず比較的有名な6人を選んだ。)過去にフランス(やヨーロッパ各国)による植民地時代があった事が大きく関係してくると思われる。

そして、調べて行くうちに”クレオール”と言うキーワードも出てきた。

クレオール

フランス語(Créole)、スペイン語(Criollo)、ポルトガル語(Crioulo)においては、「宗主国生まれ」に対する「植民地ないし副王領生まれ」を意味する形容詞。人と物、両方に用いる。人に用いる場合は、人種を問わず植民地で生まれた者はクレオールと呼ぶ。文化人類学でも用語として使われる(『文化人類学最新術語100』綾部恒雄編 平成14年 株式会社弘文堂)。

  • フランス植民地において、フランスに同化し、フランス市民権を取得した植民地出身者のこと。
  • クレオール (ルイジアナ) – アメリカ合衆国ルイジアナ州の、フランス人・スペイン人とアフリカ人・先住民を先祖に持ち、ルイジアナ買収以前にルイジアナで生まれた人々とその子孫、また彼らと関わりのある事物のこと。

(引用:Wikipedia | クレオールより)

 

クレオール(ルイジアナ)

ルイジアナ州におけるクレオール (Louisiana Creole people)とは、1803年のルイジアナ買収によって米国の一部になる前の、フランス領ルイジアナ時代の移住者を先祖に持つ全ての人種及び異人種間の混血の人々、またはこれらの人々の独自の文化とクレオール料理を指す。

 

定義
1718年頃のニューオーリンズの最も早い段階での「クレオール」の定義は、「フランスではなく、植民地(現在のアメリカ)で生まれた子供」だった。この定義は、1803年に米国が成文化するようになった。

ルイジアナ・クレオール・ヘリテッジ・センターでは、「クレオール」のことを、「一般的にフランス白人、アフリカ黒人、スペイン人とインディアンを先祖に持ち、そのほとんどがルイジアナに居住しているか、ルイジアナに居住している親戚を持つ人々」と記述している。

(引用:Wikipedia | クレオール(ルイジアナ)より)

 

この記事では、ファーストネーム(名)・ミドルネーム・ラストネーム(姓)のいずれか、もしくは全てにフランス語の名前を持つアメリカのヒップホップ / R&Bアーティスト6人を紹介していく。

 

リサーチにはWikipedia、その他いくつかのサイトを使用しました。著者の勉強不足、リサーチ不足により誤った情報を載せてしまう可能性も否定出来ません。可能な限り間違いに気付き次第訂正していくつもりですが、気づかない場合もあります。間違いの指摘はコンタクトフォーム(問い合わせ)からお願いします。

記事中の省略表記、記号に関して

  • [仏]…フランス語、[英]…英語、[古英]…古英語、[西]…スペイン語、[ラ]…ラテン語
  • +…聖書の登場人物・キリスト教が由来の名前。



André 3000 (André Lauren Benjamin)

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André 3000 (= André Lauren Benjamin)

André (+) [仏] (= [英] Andrew)  /  Lauren [英 / 仏 / ラ(?)]  /  Benjamin (+) [英 / 仏 / 西](ベニヤミン)

Big Boi(ビッグ・ボーイ)とのOutKast(アウトキャスト)としての活動でも知られるAndré 3000(アンドレ3000)の本名は“André Lauren Benjamin(アンドレ・ローレン・ベンジャミン)”となる模様。ジョージア州アトランタ出身。(参考:Wikipedia

 

ファーストネーム:”André”

まず、ファーストネームは英語名の”Andrew(アンドリュー)”に対応するフランス語の”André(アンドレ)”。”André”、”Andrew”の名前は新約聖書に登場するイエスの使徒の一人、“聖アンデレ”が由来。(参考:Wikipedia)スコットランドやギリシャ等では聖アンドリューが守護聖人となっている。

 

ミドルネーム:”Lauren”

そして、ミドルネームの“Lauren(ローレン)”もフランス語、英語で存在し主に人名に使用される模様。また、近いものにラテン語で「月桂樹の葉」を意する”Laura, Lora(ローラ)”(”Loren(ローレン)”の女性形として用いられる)や、ラテン語で「月桂樹の冠」を意味し男性の姓として使われる”Lawrence(ローレンス)”(同系:Laurence、Lorenz、Loren、Laurens)が存在する模様。(参考アンボリーの風に吹かれて

同じ“Lauren”の名前を持つ人物としては、ファッションブランドとしても知られる”Ralph Lauren(ラルフ・ローレン)”が有名か。因みにブランド名としても知られる”Ralph Lauren(ラルフ・ローレン)”は本名では無く、彼の本名は”Ralph Rueben Lifshitz(ラルフ・ルーベン・リフシッツ)”となる模様。(参考:Wikipedia

 

ラストネーム:”Benjamin”

ラストネームの“Benjamin”は英語、フランス語、スペイン語で存在し、それぞれ読み方が異なってくる模様(読み方: [英]ベンジャミン / [仏]バンジャマン / [西]ベンハミン)。”André 3000″の名前の読みの表記は”ベンジャミン”となっているので英語か。旧約聖書に登場するイエスの使徒の一人ベニヤミンが由来。(参考:Wikipedia



Big Boi (Antwan André Patton)

Big Boi (= Antwan André Patton)

Antwan [仏](= Antoine)  /  André (+)[仏]( =英語名 Andrew)  /  Patton [古英 / 仏]

先程触れたAndre 3000と共にOutKastの活動でも知られるBig Boi。本名は“Antwan André Patton(アントワーヌ(?)・アンドレ・パットゥン)”となる模様。ミドルネームだが、彼もまた”André”の名が付いている。そして、彼もまたAndré 3000と同じくジョージア州アトランタ出身

 

ファーストネーム:”Antwan”

“Antwan(アントワン / アントワーヌ)”はフランス語で、”Antoine”とも表現される模様。

アントワーヌ 

アントワーヌ (Antoine) はフランス語圏の男性名。アントワンとも音写される。ラテン語名アントニウス、イタリア語・スペイン語・ポルトガル語名アントニオ、英語名アントニー、アンソニー、ドイツ語名などのアントンに対応する。女性形はアントワネット(Antoinette)となる。

(引用:Wikipediaより)

 

「アントニオ猪木」の「アントニオ」はイタリア・スペイン・ポルトガル語と言う事になる模様。

調べてみると、1950~1960年代に多くのフランス語名が登場し“アンドレ”や”アントワーヌ”はアフリカ系アメリカ人の間で一般的な名前になっていった、と言う情報があった。(参考:Wechsel おそらく機械翻訳で生成された文章のため多少読みづらいが、大体の意味は分る。)

 

ミドルネーム:”André”

先程触れたAndre 3000、Big Boiと同じく”André(アンドレ)”をミドルネームに持っている。こちらも“Antowan”、”Antoine”と同様にアフリカ系アメリカ人の間では一般的になったらしい名前の1つ。

 

ラストネーム:”Patton”

ラストネームの”Patton(パットゥン)”は古英語の「戦士の鋭さ」を意味する”Payton(ペイトン)”の同系・短縮系・愛称との情報。(参考:アボンリーの風に吹かれて)また、フランス語にも”Patton”は存在した。

 

Dr. Dre (Andre Romel Young)

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Dr. Dre (= Andre Romel Young)

Andre(é) (+) [仏](= [英] Andrew:聖アンデレ)  /  Romell [?]  /  Young [英](若い)

Dr. Dreの本名は、“Andre Romel Young(アンドレ・ロメル・ヤング)”となる模様。カリフォルニア州コンプトン出身。(参考:Wikipedia)なぜか、”e”にaccent aigu (アクサン・テギュ)が付いていない。

 

ファーストネーム:”André”

先程のAndré 3000、Big Boiと同じくファーストネームはフランス語の”André(アンドレ)”。アメリカでは略称を用いる事が多いようで”Andre(w)”の略称としては、”Dre(ドレー)”の他にも”Andy(アンディー)”があるようだがDr. Dreは”Dre”の方を選んだ事になる。もしかすると、ステージネームが”Dr. Andy(ドクター・アンディー)”になっていた可能性もゼロでは無い

 

ミドルネーム:”Romel”

“Romel”に関しては、色々と情報を探したがなかなか見つからなかった。近い物としては、”Romeo(ロミオ)”があった。推測としては、おそらく「Rome+l」から成るローマに関する語ではないかと思う。

ロミオ(Romeo)(男)…イタリア語の「ローマへの巡礼者」。
同系は、ローマ(Rome,Roma)、ローマン(Roman)、ロマン(Romsin)、
ロミー(Romy)など。

(引用:アンボリーの風に吹かれてより)

 

ラストネーム:”Young”

ラストネームは、英語で「若い」を意味するとても分りやすい名前。ファーストネームがフランス語になっているが、ここまで挙げてきた3名とは異なり彼はアメリカ西部のカリフォルニア出身と言う事もあり、彼のルーツにはまた複雑な背景があるかもしれない(例えば、実は祖先はフランスとは何も関係が無く、比較的最近家系のどこかにフランスの血が入った、など。または、ルーツ的にはアメリカ南部のクレオールを祖先に持つ人々と同じ、と言う可能性もある。著者はそのあたりに関しては詳しくない為、何とも言えない。また、詳しく調べるしかない。)。



Beyoncé (Beyoncé Knowles-Carter)

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Beyoncé (= Beyoncé Knowles-Carter)

Beyoncé [仏] (母親の旧姓)  /  Knowles [英]  /  Carter [英] (二輪車職人)

“Beyoncé(ビヨンセ)”の本名は、“Beyoncé Knowles-Carter(ビヨンセ・ノウルズ=カーター)”となる模様。テキサス州ヒューストン出身。(参考:Wikipedia

 

ファーストネーム:”Beyoncé”

母親のティナさんの旧姓が”Beyoncé”であり、彼女はクレオールとの事。

そんなビヨンセの名付け親である母ティナさんが、このほどポッドキャスト番組『In My Head with Heather Thomson』に出演し、娘の名前の由来について語った。

「知らない人も多いけれど、“ビヨンセ”って私の名字なのよ、旧姓の方ね。」

そう明かしたティナさんは1954年1月、“セレスタイン・アン・ビヨンセ”(Celestine Ann Beyoncé)としてテキサス州に生まれた。エキゾチックな顔立ちと明るい肌のトーンが印象的だが、ティナさんは実はルイジアナにルーツを持つクレオール(主に米国南部に入植したフランス人やスペイン人などヨーロッパ系移民を先祖にもつ人々。植民地で生まれた様々な人種の人々も含まれる)である。“ビヨンセ”(Beyoncé)のスペルに、フランス語の特徴である「アクサン・テギュ」がついた「é」が使用されているのもそんな所以だ。

(引用:mixiニュース | ビヨンセの名は母親の旧姓だったより)

ラストネーム:”Knowles-Carter”

以前のラストネーム”Knowles”と結婚後の新たなラストネーム”Carter”をハイフンで結んでいる。新しいラストネームになるが、以前のラストネームも残したい場合に使われる二重姓となると思われる。この場合、”Knowles-Carter”でまとめてラストネームとなる模様。

“Knowles”は英語で主に人名に使われる模様。“Carter”は夫Jay-Zの姓。英語で二輪車職人・御者の意味を持つ職業由来の名前。(参考:なるほどプラザ)因みに、Jay-Zのファーストネーム”Shawn”はアイルランド系

 

Snoop Dogg (Calvin Cordozar Broadus Jr.)

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Snoop Dogg (= Calvin Cordozar Broadus Jr.)

Calvin [仏 / 英]  /  Cordozar [?]  /  Broadus [英]  /  Jr. [英](息子)

Snoop Dogg の本名は、 “Calvin Cordozar Broadus Jr.(カルバン・コルドーザー(?)・ブローダス・ジュニア)”となる模様。カリフォルニア州ロングビーチ出身。(参考:Wikipedia

 

ファーストネーム:”Calvin”

“Calvin”は、フランス語、英語で存在しそれぞれ読み方が異なる([仏] カルバン・カルヴァン)、[英] カルビン・カルヴィン)。Snoopの場合、”カルバン”と表記されているのでフランス語か。

同じく”Calvin”と言う名前で言えば、ファッションブランドとして知られる”Calvin Klein(カルバン・クライン)”が有名か。

 

ミドルネーム:”Cordozar”

“Cordozar”に関しては情報を探したが、なかなか見つからなかった。

 

ラストネーム:”Broadus”

“Broadus”は英語で主に人名に使用される模様。先程触れたDr.Dreと同様、Snoopもカリフォルニア州出身のため、アメリカ南部のクレオールをルーツに持つ人々とはまた違う複雑な背景があるかもしれない(し、もしかしたらルーツ的に同じかもしれない。)。

 

サフィックス:”Jr.”

父親と同じ名前を息子に付ける場合、息子に付ける接尾辞。



Travis Scott (Jacques Berman Webster Ⅱ)

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Travis Scott (=Jacques Berman Webster Ⅱ)

Jacques (+) [仏](= [英]: Jack)  /  Berman [?]  /  Webster [英]  /  Ⅱ(2世)

Travis Scott (以前の表記はTravi$ Scott)の本名は、“Jacques Berman Webster Ⅱ(ジャック・ベルマン・ウェブスター II)”となる模様。テキサス州ヒューストン出身。(参考:Wikipedia

 

ファーストネーム:”Jacques”

ステージネームには「スコットランド人」や「スコットランド出身」の意味を持つ”Scott(スコット)”を使用しているが、一方で本名の方のファーストネームは英語名の”Jack(ジャック)”に対応するフランス語の”Jacques”となる。少々ややこしい。旧約聖書に登場する”Jacob(ヤコブ)”が由来。(参考:Wikipedia)またまた聖書名となる。

 

ミドルネーム:”Berman”

“Berman”に関してはなかなか情報が見つからなかった。

 

ラストネーム:”Webster”

“Webster”には織り手の意味がある模様。

 

サフィックス:”Ⅱ”

“Ⅱ”は”Jr.(ジュニア)”と似ているが、多少意味に違いがある。

Jr. と II の違い

名前の後に Jr. がつく人と、II(ローマ数字の2)が付く人がいます。その違いは、Jr. は父親の名前を受け継いでいるのに対して、IIは他の身内の名前を受け継いでいるということです。たとえば、おじいさんであったり、おじさんであったりします。

(引用:Write a Diary in English

 

父親の名前を受け継ぐのか?他の身内の名前を受け継ぐのか?の違いとなる模様。