『Nas / Illmatic』レビュー:90年代の名盤

『Nas / Illmatic』レビュー:90年代の名盤
 

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『Nas / Illmatic 』(’94) – アルバム概要

 

Track List

  1. The Genesis
  2. N.Y. State Of Mind
  3. Life’s A ****h
  4. The World Is Yours
  5. Halftime
  6. Memory Lane
  7. One Love
  8. One Time 4 Your Mind
  9. Represent
  10. It Ain’t Hard To Tell

名盤中の名盤

ヒップホップ史における名盤中の名盤Nas / Illmatic』(’94)。20年以上も前のアルバムだが、未だに何回でも聴ける。まず、アルバム全体を通してビート -良い意味で音が程よく汚なく、ローパスフィルターがかかった柔らかい音- が良い。まさにThe 90’sな音だ。(90年代が好きな人には、おそらくたまらないアルバムかと思う。)

プロデューサー陣には、DJ PremierLarge ProfessorQ-TipPete Rockなどがクレジットされている。



解説から

まだ地域別でラッパーの12″シングルやアルバムを買っていた頃、Main Sourceの『Breaking Atoms』(’91)を購入。もちろんその理由は東海岸(ニューヨーク)出身であったこと、そしてシングル曲「Looking At The Front Door」がラップ・シングルズ・チャートでNo.1になったことだった。同アルバムからは、それ以外にも「Peace Is Not The Word To Play」、「Just Hangin Out」などのヒット曲が生まれている。そしてもう1曲、シングル・カットされてヒットしたひと際ノリのいい「Live At The Barbequeにゲスト・ラッパーとして参加していたのが、この度、晴れてソロ・デビューとなったNASだった。その後も、もともと3RD BASSのMCサーチの「Back To The Grill」に参加するなどして、ニューヨークのヒップホップ・シーンで次第に知られるようになる。また、このデビュー・アルバムにも収められている「Halftime」は、もともとは映画『Zeblahead』(’93)のOST盤に収録されていたナンバーで、これが事実上のNASのデビュー曲。つまり、彼はポッと出の新人ラッパーではないということだ。

(『Nas / Illmatic』アルバム解説:泉山真奈美)

 

上記アルバム解説にもあるようにNasはこのアルバムをリリースする以前から活動を行っていたようで、更に言えば、5. “Halftime”で

Back in ’83 I was an MC sparkin

But I was too scared to grab the mics in the parks

And kick my little raps …

(5. Halftimeより)

 

と、あるように少なくとも1983年には(”MC sparkin”という名前で)ラップをすでに始めていた事がうかがえる。




1. The Genesis

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いきなり映画『WILD STYLE』の1シーンから始まるこのアルバム、NYのラジオではデモの段階からバシバシにかかっていた。

(アルバム解説:沼田充司)

 

電車(地下鉄?)の音から始まるアルバムのイントロ的一曲。そして先程挙がった「Breaking Atomsの10曲目に収録(シングルカットも)されている「Live At Barbeque」でのNasのラップが、この1曲目「The Genesis」の0:09秒辺り~0:22秒辺りで聴ける。

 

 

 

2. N.Y. State Of Mind (prod. by DJ Premier)

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CONTAINS SAMPLE FROM “MIND RAIN” AS PERFORMED AND WRITTEN BY J.CHAMBERS Gifted Pearl/Ill Will Music, Inc./Skematics Music (ASCAP)

(『Nas / Illmatic』より)

 

GangstarrDJ Premierプロデュース。Nasの有名なリリック

“I never sleep,’cause sleep is cousin of death”

が出てくる曲。個人的には、この曲の悪さ漂うベースラインが好きだ。

チョップ&フリップを駆使するMPCプレイヤー、DJ Premier »

 

Nasは、このN.Y State Of Mind「お気に入りの一曲」と語っている。そして、DJ Premierは「この曲(のNasのラップ)は1テイクで録った」と語っている。

「俺(DJ Premier)がスクラッチからビートを構築していくのをNasは眺めていた。

この曲が一体どのように始まったのかすらも良く分らない。

なぜなら、Nasはあまりにもスラスラとリリックを書いてしまったから。

俺がOne,Two,Three…と合図を出すと、Nasは1ヴァース目を”Rappers, I Monkey…”と始めて、1Takeで録ってしまった。

そして、1ヴァース目を録り終わったところでNasが聞いてきた。”今のどうだった?”と」

(参考:GENIUS)

 

3. Life’s A ****h (prod. by L.E.S.)

CONTAINS SAMPLE FROM “YEARNING FOR YOUR LOVE” AS PERFORMED BY THE GAP BAND AND WRITTEN BY WILSON AND O. SCOTT

 

これも有名な曲だ。

“誰か一番のワルかなんてどうでもいい / 収入が人のステータスを決める1つの大きな要素

俺のマインドは金に集中してる / 俺は夢の為に生きると決めた / まだそれら(夢)を叶えられてない人々の為に”

と1ver目でAZがラップしている(Nasは2ver目から登場)曲。シンプルなトラックとリリックの内容のギャップが良い。



4. The World Is Yours (prod. by Pete Rock)

Pete Rockプロデュースの一曲。大胆にサンプリングされていた曲だったと思うが、かなり良いトラックだ。この曲再びNasの有名なリリック

“I’m out for presidents to represent me”

が出てくる。

 

5. Halftime (prod. by THE LARGE PROFESSOR)

冒頭のアルバム解説でも触れたように、実質的なNasのデビュー曲。ベースがメインで割とシンプルかつ疾走感ある感じのトラック。

Back in ’83 I was an MC sparkin

But I was too scared to grab the mics in the parks

And kick my little raps …

 

辺りから、Nasの過去(MC sparkin時代)の事も少々ラップしている。

 

6. Memory Lane (Sittin’ in da Park) (prod. by DJ PREMIER)

CONTAINS SAMPLE FROM “WE’RE IN LOVE” AS PERFORMED BY REUBEN WILSON AND WRITTEN BY R. WILSON AND P. BARSELLA

 

2曲目に続き、DJ Premierプロデュースの曲。この曲の柔らかい音が好き。

 

7. One Love (prod. by Q-TIP)

一方、ア・トライブ・コールド・クエストのQティップがプロでユースしている⑦「One Love」もまた、ある意味で’80年代を彷彿とさせる曲。というのも、Qティップが曲の中でくり返し呟く♫ One Love…という部分は、フーディーニが’86年にヒットさせた同名異曲のコーラス部分のメロディと全く同じだからだ。

(解説:泉山真奈美)

 

Q-Tip(ATCQ)プロデュースの一曲。この曲も柔らかい音が入っている。

『A TRIBE CALLED QUEST/We Got It From Here…』review(レビュー)

 

9. Represent (prod. by DJ PREMIER)

このアルバム3曲目となるDJ Premierプロデュースの一曲。

 

10. It Ain’t Hard To Tell (prod. by THE LARGE PROFESSOR)

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昨年、女性ヴォーカル・グループのSWVがマイケル・ジャクソンの「ヒューマン・ネイチャー」(’82)を「ライト・ヒア」という曲でサンプリングして大ヒットさせたが、同じ曲をNASは「It Ain’t Hard To Tell」で用いている。

(解説:泉山真奈美)

 

分かりにくいかもしれないが、マイケル・ジャクソンHuman Nature(イントロのシンセ?)がサンプリングされている。(ちなみにマイケル・ジャクソンのHuman Natureは、Chris BrownShe ain’t youでもサンプリングされている。)

 

以上

簡単にだが、このような感じだ。取り敢えず間違いない1枚




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